木曜日のお話。

これを書いている今から遡ること2日前、その日はただサークルの用事で出かけてたんだけど、後に多大なる嘔吐感を催す出来事に発展した。
キャラの設定がわからなくなったら、id:Beelze:20080824あたりを見てください。



その日はサークルの所属しているあめんぼとは別の、放送系サークルが所属する団体の定例会みたいなものがあって、一応渉外を担当している僕も顔を出すことになった。
定例会自体はさっさと終わり、その後の飲み会には出るのか?と先輩に問われる。小遣いもらったばっかりだし、もうそろそろ真面目に渉外すっかということで、僕も参加することを決めた。


飲み会までには人数確認やら何やらで多少間が空く。その間に僕は菊池を見つけ、一緒に飲もうぜと話をしていた。知り合いがいないと渋っていたが、それは僕もだと説得し、確保に成功する。その後談笑していたら、小野さんが杉山を引っ張ってきた。4人で会話をする。
「ねぇねぇ、千葉とはどうなった?」
杉山が僕に問う・・・まともな会話はできないのかなぁ。
「なぁ杉山・・・どこまで知ってるのかな?」
「ん、少しは知ってるよ?」
軽い作り笑顔で問い返したら、したり顔で答える杉山。結構知れ渡ってるのかな?と少し考える。
「俺ぜんぜん知らないんだけど」
「私も〜、あ、千葉いたよ?」
ゲ、とつい口で漏らしてしまう。隠してもしょうがないか、と思い僕は頭を抱えた。
「気まずいんだよな〜本当に・・・」
だって今日がこれで明日はデートなのだ。そんな相手に僕はどう接すればいいのか本当にわからない・・・まだ付き合ってすらいないのに。
「なに、千葉に振られたの?」
杉山が小声で問うてくる。まぁ普通そう誤解するよね。でも告白して答え待ちですなんて言えないよ。ここでも気まずくなりかねないしね。
「ま、言ってろ」
どう返すもなく、軽く突き放した。
「なに?じゃあ千葉呼んできてあげるよ!」
そう言って小野さんが駆けていく、どうなったらそうなんだよ。
「おい!ちょっ・・・あー」
再び僕は頭を抱えた。本当にどんな顔して会えばいいのかわかんない。杉山が「小野、千葉と話してるね」とか言ってる。見えない見えない。
ちょうどその時、飲み会の移動が始まった。そのタイミングに救われ、僕は千葉さんと話すことなく飲み会の場所へ行った。


この飲み会は交流会と呼ばれるように、各大学の渉外が参加している。人数は、大体90人弱くらいだろう。飲み会自体は、至って平和に過ぎていった。
途中ではぐれた杉山とは別に、僕は菊池と、そして目の前の席の、以前知り合ったI大(あめんぼには所属してない)の日野君と話していた。
主に番組発表会の話をしたりと、おだやかに時間が過ぎていたんだが、
それは杉山の手によって、もろくも壊された。


「高井ー!お前明日千葉と会うんだって!?」
こっちの席に来るや大声で叫びやがる。完全な酔っ払いである。千葉さんの名前を知ってか知らずか。それともたんに杉山の声がでかかったからなのか。近くの席の人もこっちを振り返る。やめろよ恥ずかしい。
「杉山・・・少し頭を冷やそうか」
そう言って杉山の肩を強くつかむ。千葉さんに言われたのかな・・・?菊池と日野が「なんだよそれ詳しく」みたいな感じで僕に訊いてくる。
誤魔化してもしょうがないので・・・僕はある程度説明した。この前の合宿の出来事を、三浦の部分は省いたけどね。
「ふんふん、大変だな・・・」
そう言って僕の肩を叩くのが一人。いつの間に聞き入っていたのか、その人は小野さんや杉山と同じ大学の鹿島君である。この人とガチで話したのはこれが初めてなんだけど、肩を叩かれて結構嬉しかった。
「で、どうするんだ?」
鹿島が僕に尋ねる。他の人も近くに顔を寄せて聞き入る。
「どうするって・・・渉外さんだから、あんまり風波立てたくないんだよなぁ」
本音が出てしまう。確かに付き合えれば嬉しいけど。千葉さんは渉外さんで、仲が悪くなったりしたらそれは2人だけじゃなくて下手したら大学間の問題になっちゃったりするのだ。でも、告っているのに今更その言い分はないだろう・・・。
さっきから10メートルくらい離れたところで、千葉さんが僕らのことをチラチラと窺っている。僕もとうに気づいていたのでそちらを意識してしまう。
「さて、と・・・」
鹿島が席を立って歩き出した。どうやら千葉さんの方に行くらしい。探りを入れるつもりなのかな?
千葉さんのことを極力見ないふりしてまた4人で話す。みんな主に僕を励ましてくれたりしている。が、
「あれ、千葉と鹿島結構仲良くない?」
杉山が囃し立てる。
「いや、もうどうでも・・・」
軽口で返す気力もない。死にそうな顔をしていただろう。そんな僕の肩をまた誰かがポンポンと叩く。振り向いたら小野さんの出来上がった顔があった。
「高井、明日千葉とデートだって?」
そう言ってまた僕の肩に手を回してポンポン叩く。僕は頭を抱えながら、
「ああ、そうだよ・・・」
と答える。僕が頭を抱えるところは、あの頭を抱えるAAをそのまま想像すれば補完できるだろう。
「頑張って〜!」
そう言いながら僕の肩をしばらく叩き続け、小野さんは去っていく。それと入れ違いに鹿島が戻ってきた。
「・・・頑張れ」
そう言って僕の肩をまた叩く。こいつらの大学はホントに肩叩くの好きだな、と思いつつ、反対側の手で鹿島の方をとり、
「代わらない?」
と尋ねる。死にそうな顔で。
だが断る
まぁそうだよね。こんなややこしい状況誰も代わりたくないよね。
「大丈夫だよ、明日は渉外さんと遊びに行くだけだろ?」
「そうそう、それで終わりなんだよ」
「その後なんにもならないよな」
「だよな!」
軽い言い回しで笑いあいながら、最後にため息がついてくる。
「頑張れよ、いろいろと応援してるから」
そりゃどうも、と返す。たぶん笑っていたと思う。
そしてその後すぐに飲み会もお開きになり、終電の関係上さっさと駅に走る。
明日は千葉さんとデートなのに、こんなんでまともに話できんのかな?と思い悩みながら、電車に揺られて家まで帰った。