リア充を気取ろうとした結果がこれだよ！3日目＋後日談

僕や先輩がサークルのやつらに、2日目の夕方まで楽しかった、と言いふらしたせいで、何かあったもんだと何人かに思われているらしい。
いやその認識は正しい。

目覚めたのは8時、だいたい3時間弱の睡眠となる。
死にそうな顔で朝ごはんを食べる。僕にしては珍しく焼き魚を残す。
テーブルの向かい席に座る広瀬も若干やつれたような顔になっている。たぶん寝起きなのも理由に含まれるんだろうけど、昨日の騒動が主な疲れになってるんだろうなぁ。
隣に座る杉山は昨日さっさと寝てしまったせいか、いつも通りという感じだ。まぁ彼は昨日の飲みの場で散々先輩に絡まれていたので、大丈夫なのかと心配はしていたが、大丈夫なよう。
斜め向かいに座る菊池は昨日「潰せるもんなら潰してください」と先輩に挑戦した結果がこれである。青い顔をしているというのはまさにこの顔なんだろう。
そして、昨日僕を苦しめた吉野と三浦は、今も部屋で眠っているよう。あいつら２日酔いとかしてなきゃいいんだけど・・・。
ほとんど会話もなく、朝飯は終了した。みんながみんな疲れてんだからしょうがないよね。帰りのバスは何時に来るから、荷造りしろだの、ごみをどうしろだの言われて、僕らは自分の部屋に戻った。

「昨日は疲れたよなぁ・・・」
誰に話すでもなく僕は言った。今この部屋には僕と広瀬、杉山、それから寝ている吉野の４人だ。
吉野と広瀬は僕と三浦の一悶着があったときに、モテない談義をしていたらしい。酔った勢いとはいえ、渉外さんに絡むネタとしては酷すぎる。まぁ僕も参加したかったのは言うまでもないが。
「昨日、あの後なにかあったの？」
杉山が僕にきいてくる。僕も杉山みたいにさっさと寝てれば、こんなことにはならなかったんじゃないかなぁ。と思った。
「吉野が悪酔いしてさ、結構みんなが迷惑しちゃったかなって」
「そっか、さっきから吉野寝てるもんね」
寝てる、というか。さっきから荷造りしろと言って起こそうとしてるのに起きない。ぶん殴ってやろうかと言って拳を固めると、たちまち広瀬が止めに入る。
「もうちょっと穏便にさ」
「大丈夫だよ、そんなことしないって」
そう言って、僕はエアコンをフルできかせる。寒さで目を覚まさせようという作戦だ。
１０分くらいたって、やっと吉野は目が覚めたよう。その頃には僕らの荷造りも終わっていて、のんびり吉野の支度を待った。手伝う気にはなれなかった。

民宿の人に挨拶を済ますために玄関前に集合する。その時、望月さんが近くに寄ってきた。
「昨日の千葉のことさ」
あまりしたくない話題だ、どうしようか悩んでいたから。
「うん」
「本気で好きなの？」
真っ直ぐに僕を見つめて望月さんは問うた。どうしようどうしよう。
「・・・うん」
もう逃げられません、これが現実です・・・！でも酔った勢いで、なんて言えないよ本当に。
「千葉に聞いてみたんだけど、嬉しかったって言ってたよ」
マジかよ、こちとら困らせて本当に申し訳ないと思っていたのに。でもいっそ振ってくれた方が僕は嬉しかったり。
「本当？よかった・・・」
ため息をつきながらそう答える。まぁ、嫌われるよりかはマシか、と思うことにした。
風のうわさだと、三浦はメールをいくつかしたが断られたらしい。余談だが、最近吉野も千葉さん狙いだったらしい。どんだけモテるんだよあの子。
まぁ、そんなこんなで挨拶も済ませバスに乗り込む。途中チラと石原先輩を見たが、やはり疲れた顔をしていた。

バスの中、行きとは違ってとても静かだった。みんな寝てるかぼうっと音楽でも聴いている。
「なんかさ、俺ら仲悪いみたいだよね」
菊池が振り返って言う。確かに２男は誰も話さず吉野は寝てるし、ほかはただ静かにしている。
「疲れたんじゃないかな？まぁ、暇だよね」
３時間弱の睡眠で復活したのか、僕はぜんぜん眠れずにバスに揺られていた。まぁ、千葉さんのことを考えてたら寝れなくなっただけなんだけどね。
どうすればいいかわからずに、ってか千葉さんの顔を見る気もしないので、どうしたものかと考えていた。バスが着いた後に話すのは勘弁願いたかったので、すべて終わってからメールを送ろうということで自己完結した。
その後、主に僕と菊池が暇だったので、起きているやつらでトランプをした。死にそうになっててもやっぱり杉山は強かった。

バスが東京に着いた。吉野をたたき起こしてバスを降ろさせる。
合宿担当の挨拶で、僕らの合宿は終了、解散となる。徐々に人が散っていく中で、２男もまとまって駅に向かい、解散となる。
余談だが、３日目はほとんどの人が吉野と話さなかった。僕も起こすときとかに声をかけたくらいだし。
彼が自己嫌悪に陥っていたのか、ただの２日酔いなのかは、わからなかった。
そんなこんなで合宿終了、みんなお疲れー。

んで、合宿が終わった今、状況の進展具合に僕が焦っている。
まず吉野を次期会長から降ろそうかと思ったけど、その計画は破棄となる。やってもよかったんだけどそれだと僕のサークルになってしまって、みんなのサークルじゃなくなる気がしたから。
あと、望月さんのいいやつ具合がやばい。あの子僕と千葉さんのことを全力でフォローしてくれてる。いろいろと泣けてくる。
それから千葉さんだが、メールで改めて告白して、そのまま玉砕するだろうと思っていたら、１度会わないかとい言われそれを受けてしまいました。
明日、僕と例の千葉さんは新宿でデートをするそうです。